伊東小涌園からオレンジビーチに向けて歩くこと約10分、伊東の中央を流れる松川沿いに鎮座する「音無神社(おとなしじんじゃ)」をご存じですか。
豊玉姫命(とよたまひめのみこと)を祭神とした、安産祈願にご利益のある神社です。豊玉姫命のお産が軽かったという神話がその理由だそう。安産のご利益にあやかりたい方、また縁結びにもご利益があるとのこと、新年からの新たな出会いを祈願しに訪れたい参拝スポットです。
安産祈願には底が抜けた柄杓を収めるのですが、それは穴が開いた柄杓は「水が通りやすい」ため安産に繋がると考えられているからです。
また、こちらの神社はロマンティックかつ悲しい逸話も残っています。
「曾我物語(※)」によると平治の乱後、一時期伊東の北の小御所で暮らしていた源頼朝と八重姫が秘密のデートを重ねた地なのだとか。
その舞台が音無神社にある「おとなしの森」、頼朝が八重姫に会うため日が暮れるのを待ったのが、裏を流れる松川の対岸にある「ひぐらしの森」だと伝えられています。
※鎌倉時代に起きた曽我兄弟の仇討ちを題材とした英雄伝記物語
やがて二人のあいだには男子が生まれます。
千鶴丸と名付けられましたが、八重姫の父であり伊東の領主・伊東祐親の怒りに触れて殺され、二人の仲も引き裂かれたという悲しい結末の逸話が残っているのです。
境内社の玉楠神社には源頼朝と八重姫が祀られています。その横には樹齢1,000年を越える伊東市指定の天然記念物タブの木が佇み、まるで2人を見守るようでもあります。
また音無神社は奇祭「尻つみまつり」でも知られています。
毎年11月10日に催されるこのお祭りは、真っ暗な社殿でよく見えないことから、お神酒を回す際に、隣人のお尻をつまんで合図するという奇妙な祭事なのです。
今ではお囃子のリズムに合わせて尻をぶつけ合う「尻相撲大会」が開催されています。対戦の様子に思わず笑いが起こる、ユニークなイベントとして注目されています。
また毎日午後6時~10時には東海館前から松川遊歩道(700m)、音無神社までのエリアに竹でできた灯篭「竹あかり」が点灯し、町全体が温かい光に包まれています。
音無神社内には絵馬を掛けてお願いごとができる「祈りの竹あかり」も設置され、昼間と異なるムード満点の夜間参拝もおすすめですよ。
参考サイト:https://itotakeakari.com/
当館より徒歩圏内にある、音無神社をご紹介しました。
ぜひ初詣に足を運ばれてはいかがでしょうか。